PROJECT 01
経験は「自信」になる。
知識・技術は「チカラ」になる。
日本の障がい者の雇用、生活状況
働きたいけど働けない、
自立したいけど自立できない
平成29年度調査によると日本の身体・知的・精神障がい者の総数は約858.7万人、うち18歳以上65歳未満の在宅者は約355万人です。(※1)これに含まれない、障害者手帳が発行されないものの、困りごとのある「グレーゾーン」の人を含めるとさらに多くの方がいると言われています。
多くの障がい者の中には、雇用機会がない・賃金が低い・スキルを獲得するチャンスがないといった理由から、 一般の労働者に比べて雇用・生活状況が厳しく、「一人の人間としての自立」とは程遠い生活を送っている人も少なくありません。人材不足が叫ばれる日本で、このような状態が続いていることは、障がい者本人にとっても社会全体にとっても、大きな損失であると言えます。
この状況を打破するべく活用されている行政の障がい者向け就労支援制度に、「就労移行支援・就労継続支援事業」というものがあります。これらの制度は、雇用につまづきを抱えている当事者にいきなり就労を促すのではなく、 職業訓練や短時間就労の経験を積んだうえでの正規就職を目指すものです。
各事業所は「障害者自立支援法に基づく障害福祉サービス事業の設備及び運営に関する基準」に則り、 NPO法人や民間企業などが行政に登録を行って運営されています。就労移行支援では2年の間に正規就労を目指して職業訓練を行い、就労継続支援では事業所に雇用または所属し業務や作業を行います。就労継続支援では賃金・工賃が支払われます。
就労継続支援事業所の平均工賃
(令和3年度)
スキルアップを図りながら収入が得られるこれらの就労継続支援事業所は、 障がい者の金銭的な自立を目指していくうえで非常に大きな役割を果たしており、 近年では開設施設も通所者も年々増加し、特定の障害種別に特化するなど特色のある業務内容の事業所も出てきました。
ただし一方で、本当の意味で「自立」を援助しながら、収益を上げる事業として成り立たせるのは非常に難しいのが現実でもあります。支援を行うというよりは補助金欲しさに非人道的な運営をしていたり、 経営がうまくいかずに事業が破綻してしまい一方的に解雇を行う悪質な事業所がニュースに取り上げられたこともありました。
Forestでは、子どもたちの支援活動での経験をもとに、困難な状況に置かれている障がい者の方たちに対しても何かできることがあるのではないかとの思いから、障がい者自立支援推進事業をスタートいたしました。
Forestが障害者支援事業に取り組む理由と想い
Forestが障害者支援事業に取り組む理由と想いについて、代表・小野塚のメッセージを掲載しております。 ぜひご覧ください。
Forestが運営する就労支援事業所
「Branch for pro」のご紹介
Forestでは障がい者自立支援推進プロジェクトの取り組みとして、「Branch for pro」という多機能型就労支援事業所を運営しています。
Branch for proは「就労継続支援事業所A型・B型」と「就労移行支援事業所」の部門に分かれています。
A型は事業所に直接雇用され、事業所が請け負った仕事に取り組んでいます。雇用期間の定めはなく、勤務時間により雇用保険等にも加入できるなど、一般の就労に近い形になっています。移行型では原則2年間での一般就労等を目指し就職に向けた訓練を行っています。
Branch for proでは小さな単純作業から総合的な制作まで企業様より仕事を請け負い、日々業務に取り組んでいます。
業務内容と他にはない特色
高度な専門性と確かな実力
「障がい者の働く場」というと箱折や袋詰めのような単純労働を思い浮かべるかもしれませんが、 Forestが運営するBranch for proは同地域の同様の事業所に比べ、高い専門性、技術力を特徴としています。雇用されている障がい者やスタッフは基礎的な知識にとどまらず、それぞれ得意分野を持っており、Webサイト制作・プログラミング(JavaScriptなど)・DTP(チラシ・名刺等の作成)・経理業務に関わる記帳といった専門知識を要する業務に携わります。
A型は事業所に直接雇用され、事業所が企業・個人・自治体などのクライアントより請け負った仕事に取り組んでいます。雇用期間の定めはなく、勤務時間により雇用保険等にも加入できるなど、一般の就労に近い形になっています。
B型は雇用契約を結ばない形ではありますが、利用者と相談のうえ通所スケジュールを調整しながら、実務作業の指導やスキルアップのための訓練及びサポートを行っています。
移行型では原則2年間での一般就労等を目指し就職に向けた訓練を行っています。
Branch for proでメンバーが取り組む仕事は、一般の企業と同じくクライアントの希望を叶えることが大前提となっています。クライアントの様々な要望に応えるためにはチーム内での打ち合わせが不可欠で、 技術力だけでなく、コミュニケーション力・発想力・提案力など非常に高度なスキルが必要です。
一般の企業においても必要となってくるこれらの力を身に着けるため、仕事や自学自習を通じ、日夜スキルアップに励んでいます。また、下記の資格を保有している者が在籍しており、 日進月歩のWeb業界に対応できるよう積極的に勉強を続けています。
・ウェブデザイン技能検定2級/3級(※Webデザインにおける唯一の国家資格)
・サーティファイ Webクリエイター能力認定 エキスパート
・サーティファイ Illustrator能力認定 エキスパート/Photoshop能力認定 エキスパート
・日商簿記検定2級
・マイクロソフト・オフィス・スペシャリスト(MOS)Wordスペシャリスト/Excelスペシャリスト
札幌圏では、まだまだ専門的なWeb業務が行えるA型事業所は少ないため、 技術はあるけれど一般就労が難しい障がい者の自立を助けつつ、 メンバーの得意分野を活かしあうことで事業所自体も成長していけるような、他に類のない場を目指しています。
●資格合格・一般就労実績
資格合格者数
2023年度
- ・基本情報技術者試験:1名
- ・Illustratorクリエイター能力認定試験 エキスパート:1名
- ・日商簿記検定試験 2級:1名
- ・日商簿記検定試験 3級:1名
- ・ファイナンシャル プランナー 3級:1名
- ・宅地建物取引士:1名
2022年度
- ・WEBデザイン技能検定 3級:1名
- ・基本情報技術者試験:1名
- ・知的財産管理技能士 3級:1名
- ・マイクロソフトオフィス Word エキスパート:1名
- ・マイクロソフトオフィス Excel エキスパート:1名
2021年度
- ・基本情報技術者試験:1名
- ・マイクロソフトオフィス Excel スペシャリスト:2名
- ・日商簿記検定試験 2級 1名
2020年度
- ・WEBデザイン技能検定 3級:1名
- ・WEBデザイン技能検定 2級:2名
- ・日商簿記検定 3級:1名
就職者数
2022年度 一般就労実績
- 就労継続支援A型「Branch for pro」:4名
2021年度 一般就労実績
- 就労継続支援B型「Branch for step」:2名
2020年度 一般就労実績
- 就労継続支援A型「Branch for pro」:2名
2019年度 一般就労実績
- 就労継続支援事業所A型「branch for pro」:2名
- 就労移行支援事業所「branch for seed」:2名
プロジェクトの今後の展望
支援される場から、社会貢献を行う場へ
2019年10月より、A型通所者(Webチーム)を対象にWebデザイン技能検定2級(国家資格)取得に向けた長期講習が行われておりましたが、2020年度11月回の試験において、無事合格者が出ました。また、2020年1月に本格的なオンデマンド印刷機を導入したことにより、 地域の中小企業や個人事業主様を対象にデザイン~印刷製造まで含めたトータルサポートが可能になりました。
Forestではこれからも就労支援事業自体が社会貢献になるような仕組みを自ら生み出せるよう、取り組みを続けてまいります。
Branch for pro
虐待防止規程・身体拘束等適正化に関する指針
令和4年4月からの義務化に伴い、
令和4年4月1日より掲載(PDF)